ひとりごと
〜2004.May〜

あなたには希望の匂いがする
つまづいて 傷ついて 泣き叫んでも
さわやかな希望の匂いがする

(和田アキ子「あの鐘を鳴らすのはあなた」より)




5.28 fri.

少し寝たところで、気を取り直して更新。






北朝鮮による拉致被害者家族の帰国問題で、小泉訪朝以降、
家族会や救う会に抗議メールが殺到しているとか。
内容は「5人の子どもを連れ帰った首相へのねぎらいの言葉がない」
「首相への暴言があった」「被害者の帰国を喜ばないのか」
「イラク人質事件と同じで、自分のことしか考えてない」なんてものまで。






不思議で仕方ないのですが、いったい誰がこんなこと言ってるんでしょうか?
私はイラク人質事件については、「自己責任追及せよ」論者ですが
(この辺は4ガツ30日のニッキを参照してください)、
そんな自分だって、今回の問題は次元が違うってことくらい分かります。
論理的にはもちろん、感情的にも、理解できません。この抗議には。






イラク人質事件は「(事実上の)戦闘地域に」「自らの意思で」入った結果
起こった事件であり、だからこそ自己責任が問われた訳ですが、
今回の場合、被害者に落ち度は全く無く、自己責任は問えません。
まさか「新潟なんて危険な地域に住んでるヤツが悪い」とは言えんやろし。

(…冗談ですよ。念のため。)



しかも、今回の事件は北朝鮮による国家犯罪です。
イラク人質事件の時に擁護派がさんざん言ってましたが、自国民の保護が
国家の責務であるというなら、今回、日本政府は20年以上もその責務を
放棄していたことになります。



その上、家族帰国のタイミングがここまでピッタリだと、
「本当はもっと早く実現可能だったが、小泉人気も苦しくなっているので
参院選前のタイミングを見計らって動いた」と思われても仕方ありません。






今回、イラクの事件と違って被害者の自己防衛は不可能でした。
従って原因は100%北朝鮮にある訳ですが、日本政府はこの国家犯罪そのものに
対して日和見主義をとり続け、被害者および家族の奪還に20年以上もの歳月を
かけてしまったのです。
しかも残された10人の被害者については、未だ解決の糸口すら見えていません。



こう考えると、少なくとも人生ボロボロにされた被害者サイドには、
「政府を非難する権利」はあっても、「政府に感謝しなければならない義理」
なんてものを持ち合わせておかなきゃいけない義務はありません。
感情論としても、この方が自然な流れなのではないでしょうか。






でも、何より興味深かったのは、25日の救う会の声明によって明らかになったこと。
すなわち「発言者は首相の労をねぎらう挨拶と5人の子どもたちが帰国できた
ことへの喜びを表すことを忘れてはいません」(声明文より)という事実。
しかし、テレビではそのシーンがほとんど報じられなかった、という事実。






ちなみに、声明文のこの部分については、(私の見た限り)テレビ各局は完全にスルー。






…すべてを政府とメディアの陰謀説に還元してしまうのもハリウッドみたいで
どうかと思うけど、そうとしか考えようがないのかも。この問題については。






本当に、これでいいんですか? 日本のマスコミ。
送る側も、受ける側も。








5.27 thu.

5月に入ってから、学会デビュー戦を含め、連続発表道を爆走中。
しかも、全戦ことごとくコテンパンにされながら(笑)。



ここまでくると、自分の論に構造的欠陥があることはもう分かってて、
でもそれを根本的なところから練り直す時間的余裕などある訳もなく、
次の発表で同じところでコテンパンにされる。この繰り返し。



まあ、これからこの世界で生きていくためには、何度踏まれても
強く伸びる麦にならなければならない訳で(byゲン父)。
学会でもゼミでも、叩かれてナンボなのは分かっているのですが…。



しかし今日、同じ傷口に3度目の塩のすり込みをされて、
さすがに痛くなってきた。ちょっとヘコむ。






で、そんなこんなで無性に踊りたくなって、学校帰りの渋谷のTSUTAYAで
Hermann H.&The pacemakersを試聴(借りるお金は、もちろん、ない)。
試聴機の前でちっちゃく弾む。
ベイ・オブ・トーキョー。ベイ・オブ・トーキョー。






…海があったら沈みたい(笑)。






真面目に更新するつもりだったけど、やっぱこの潜航状態脱出してからにします。
一晩もゆっくり寝れば、バラスト排水も完了していることでしょうし。






でわまた明日。たぶん。







5.15 sun.

海外CDの輸入権の問題。
私が冷静さを欠いた話をするよりも、たぶんこちらを見た方が
何百倍も分かりやすいと思うので、紹介しときます。


萌えクリ プレビュー 特別編 〜レコード輸入権ってなに?〜


トップのイラストに引く方もいるかとは思いますが、
(いや、萌えられても困るのですが…)サイトの内容としては、
抜群に整っていると思います。


東浩紀氏のコメントも、分かる方には分かっていただけるかと。
とても素敵です。




私はほとんど洋楽は聴かない人間ですが、それでも今回の法改正案には、
ホント、怒り心頭なのです。
生まれてはじめて政治活動に「署名してもいいかも」と思いました。

(ちなみに、Winny開発で逮捕された金子氏の弁護士費用募金活動が
始まっていますが、生まれてはじめて「募金してもいいかも」と思いました)




これ以上、レコード会社の横暴を許してはいかんですよ。マジで。









5.13 thu.

たぶん覚えているのは私だけだと思いますが、2000年11月のニッキで、
私はこんなCD紹介を書いています。



宮下芳明 "Symphonic dance 前編"

ユーロビート(を中心としたダンスミュージック)をオーケストラで
やってしまおうという大胆な一枚。
むやみやたらと壮大な感じがとてもかっこいいと思うのは私だけでしょうか?
ネット通販で入手可能(というか店頭ではほとんど手に入らず)。







そして、このニッキを書いてから2年半が経った、2002年6月の
ある日、私はある一通のメールを受け取ります。
宮下芳明氏、本人からでした。



彼はgoogle検索で偶然にも私のニッキを見つけたらしく、
「こんなレアなアルバムに、評価をありがとう」と、
わざわざメールをくれたのでした。






宮下氏は大学生時代にベンチャー企業「HOMEI RECORDS」を設立。
自分で作った音楽CDをネット販売してらっしゃる方です。
チャレンジ精神旺盛というか、何というか・・・。
茶有のように凡百の大学―大学院生活を送り続ける人間からすると、
そのバイタリティには脱帽としかいいようがありません。






そして先日、宮下氏から、一通の手紙と共に、CDが送られてきました。
彼は大学院での研究活動の傍ら、音楽制作者を支援するソフトウェア開発会社を
立ち上げたということで、今までお世話になった人への感謝の気持ちをこめて、
新作のCDを送ってくれたのでした。



もしも自分が偶然「HOMEI RECORDS」のサイトを見つけなかったら。
気まぐれでそこで購入してみたりしなかったら。
何となく感想なんてモノをupしたりしなかったら。
この出会いは、もちろん、なかった訳で。






Winny開発者の東大助手(!)が「著作権法違反幇助」(!!)で逮捕されてしまうような、
CDの輸入が全面禁止になりかねない、とんでもない法案が成立してしまいそうな、
そんな世知辛い世の中ではございますが(この辺についての見解は、また近いうちに)、
まだまだ情報社会も捨てたモンじゃないかも・・・などと、還暦迎えた老人みたいな
ことを、考えたり考えなかったり。






Say Hello to Max Weber!は、情報社会を応援しています。









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