ひとりごと
〜2005.March〜

春なのに ため息、また一つ。

(柏原芳恵「春なのに」より)



3.30 wed.

息抜き…というよりは現実逃避。
「ひねくれた人に50の質問」(現在進行形氏のサイトより借用)






01.お名前(HN)は何ですか?

   茶有(ちゃあり)。


02.自分の名前を覚えていますか?

   ときどき現実と虚構の区別がつかなくなります。


03.地球はどこですか?

   ここ。


04.どことは正確には答えられません。

   じゃあ、そこ。


05.あ、言い忘れましたがこれは自己紹介になりませんから。

   もともと自己紹介なんてする気ありません。


06.好きなプレイは?

   チャイルドプレイ。


07.いや、好きな遊びととらえてください。

   好きな人形を聞いているのかと思いました。


08.好きな芸人は?

   チョーさん。


09.その芸人の嫌いな理由を教えてください。

   ショカツは黙ってなさい!


10.もちろんわざとですよ。

   ダメだこりゃ。


11.ま●こを見るのは好きですか?

   きれいな人であれば、見るのは大好きです。


12.ちびまるこちゃんの話ですよ!!!!

   舞妓さんの話かと思いました。


13.インターネットは一日にどれくらいやりますか?

   何十年、何百年、何千年、何万年、…何秒間、わかんない。


14.ネットサーフィンでエロサイトに行ったことはありますか?

   だけど、君と、I will go.


15.インターネットをやるのとネットサーフィンって同じ意味なんでしょうかね。

   ヒロシ(加瀬大周)さんに聞いてください。


16.荒らしをどう思いますか?

   マツジュンはかっこいいですね。


17.ああ、ここでの荒らしは

   Dの嵐です。


18.ウイルスにやられたことはありますか?

   あります。


19.僕はこの前インフルエンザのウイルスにやられました。

   私はウイルス送りこまれたせいで地球侵略ができなくなりました。


20.そろそろネタがなくなってきました。

   築地へ急いでください。


21.という質問はいつ入れたらよいですかね?

   グッタイミン。


22.HPを持っていますか?

   心のきれいな人にしか見えませんが。


23.HPを持ってないのにこれは書けません。という突っ込みはワンパターンですからね。

   ふっかつのじゅもんがちがいます。


24.自分のHPに有名人が訪問したことがある。

   この前あいぼんが来てたよ、とののが言ってました。


25.実はサイコキネシスを使える。

   多少は。


26.初期のポケモンをバグらせて遊んでいる。

   多少は。


27.そのうち飽きます。

   このパターンに飽きました。


28.掲示板にどんなことが書きこんであると嬉しいですか?

   【必見!】全部見えます!女子高生があんなことまで…!


29.それは誰でもそうだったりします。

   たくさんメールが届くといいですね。


30.自分には第六感があると思いますか?

   もうすぐ第91巻が出ます。


31.俺の友達はあると言い張っています。

   それは知り合いの劇画原作者の方ですか?


32.世界の中心でさけんでみたいことはありますか?

   おいしくってオッシャレー!


33.世界の中心は地球の中心ではありませんからね。

   輝子おばさんのいるところが世界の中心です。


34.HTMLを使えますか?

   多少は。


35.ここはネタがないのでHTMLの当て字を考えてください。

   本 当に 無 理。


36.素晴らしい。

   それほどでもあります。


37.最近話題の堀○社長をどう思いますか。

   とーってーもだーいすっき。


38.僕は堀○派です。

   私は大山派です。


39.にんげんだもの

   ネコ型ロボットですが。


40.K-1に復帰した角○選手をどう思いますか?

   角○のくせに生意気なー。


41.アケ○ノに負けてしまいそうですね。

   もしもボックスー。


42.宇宙へ旅立ちたい。

   どこでもドアー。


43.宇宙服つけないで。

   ああ僕は、どうして大人になるんだろう。


44.この質問の何問目あたりがうざかったですか?

   味いちもんめ。


45.この質問作ったやつがウザイ?

   うん。


46.彼女(彼氏)いたらいいなぁ。

   【必見!】今がチャンス!確実に会えます!


47.最後3問!

   ドロップアウトします。250万円ください。


48.じゃん・けん・

   ぽん・ぽん・どっち出すの?


49.うふふふふふ

   エネルギーと、エレクトロニクスの…。


50.この質問。俺と君どっちが勝った?

   俺。

   勝ったと思うな、思えば負けよ。





はーい。現実に戻ります。バイト→レポートのフルコース(笑)。







3.23 wed.

この春を境に、これまで働いていた知人がどっと会社を辞めることに。
一人は田舎の生活に戻るため(地元の友人)。一人は大学院進学のため。
一人は何となく将来のことを考えて。




三人とも女性なのですが、いわゆる「寿退社」が一人もいないのは、
今の時代を象徴しているといえないこともないかも(笑)。







こういった人に向かうと、どういった言葉をかけていいものか
悩みます。会社を辞めるって、すごく嬉しいことだったり、
不安なことだったりするし、まして「辞める直前」にその人が
どんな心理状態にあるかなんて、外の人間には分からないから。
(実際、自分も退社直前は完全な鬱状態だった訳ですし…)




で、とりあえず無難な言葉として「3年間おつかれさま」という
言葉を使ってしまうのですね。




こういう人生の岐路に対して、客観的に正しい選択なんてありえないと
思うから、自分には「辞めた方がいい/辞めない方がいい」なんて
口が裂けても言えないのですが、本人にとっても、その選択の責任を
他の人へ転嫁することはできないのだから、結局、自分で選択した道を
無理矢理にでも「正しかった」と思い込むしかないんですよね。




翻ってみれば自分自身、大学院に入ったこと、会社を辞めたこと、
あの会社に入ったこと、筑波大学を出たこと、高校で放送なんざ
やってたこと、中学ではドラムを叩いてたことetc...
すべての選択に対して、果たしてそれが正しかったのかなんて、
まったく分かってないし。一生分からないのかもしれないし。




茶有的な「今がよけりゃ」基準で考えれば、過去の選択をどれだけ
後悔していないかが、その選択の正しさを証明するものであり、
そういった意味では、前述のすべての選択は間違っていなかったという
ことになるのですが、それもあくまで「現段階で」のことやからなー。




実際問題として、今から数年以内に、これまでの選択の正しさを
すべて否定するような、メガトン級の大後悔が襲ってこないという
保証はどこにもないですし(笑)。







どんな選択をしたとしても、失敗のリスクは必ずある訳で。
もちろん、それが今を刹那的に生きることの言い訳には
ならないのですが、今の自分にとっても、無職生活に突入する
友人たちにとっても、結局は自分自身にそう言い聞かせない限り、
こうしたアウトサイダー世界で生きていくことはできない訳で。




私には、彼女らのこれからの人生が充実したものになるように、
後悔することのないように、ひたすら信じ、祈ることしかできません。
自分自身に対して、同じことを信じ、祈ることしかできないのと同様に。




立岩真也『私的所有論』(第4章3節3項「自己決定は全てを免罪しない」)を
読みながら、その勤めていた会社を辞めて地元に帰る友人とメールしながら、
福岡の地震報道を観ながら、そんなことを考える、春の雨の夜。







堅苦しい話題が続いたので、今日こそは、社会問題ネタなし、
学問ネタなしのつれづれニッキです。







あと今回の福岡地震。私の実家は、とりあえず何事もありませんでした。
心配してメールなど下さったみなさま、どうもありがとうございました。
東京在住の私たちにとって、いよいよ明日はわが身ですね。




この数日間、もしもここで地震が起こった場合に、どのように
この部屋から脱出すればいいかを何度も頭の中でシミュレート
しているのですが、それ以前の問題として、築数十年が経っている
この建物自体が地震に耐え得るのかどうかについては、倒壊せずに
残ってくれると信じ、祈ることしか私にはできません(笑)。




…いや、笑い事ではないのですが。




「救命病棟24時」観ようと思ってたのに、結局一話も観なかったなー、
などと思いつつ、そんなことを考える、春の雨の夜。










3.13 sun.

まずは訂正から。
前回のニッキで、人権擁護法案の問題点として



3.人権侵害行為そのものだけではなく、
人権侵害を助長する行為も、勧告の対象になる




と書いたのですが、これは間違いです。
確かに人権侵害を助長する行為は禁止されていますが、
その違反に対する罰則規定はありません。勧告もされません。
もちろん「助長」の定義が不明確なため、拡大解釈される
危険性は残るのですが。お詫びして訂正いたします。



それにしても、カリー氏のBlogでこの事実に気付いたワタシ。
高校生に事実関係の誤りを指摘される大学院生…。
笑ってやってください。こんなワタシを。







さて、時事ネタが続いてしまったので、今回はちょっと肩の力を抜いて、
テレビとか音楽とか本とか、最近気になったものにコメントをば。







まずはテレビ。最近の衝撃作といえば、やっぱり
「温泉へ行こう!5 最終回」をおいて他にありません。




ファンサイトではこのあまりにも衝撃的な終わり方に「がっかりした」
「もう観ません」「こんなの『温泉』じゃない!」などのコメントが殺到。
現在もまだまだ荒れまくっている様子。




では、いったいどんな話だったのかというと。
主人公はある旅館の仲居(薫)。彼女は前々々作「2」のラストで、
支配人(健司)とめでたく結婚しておりました。「3」も「4」も
二人は何だかんだ言いつつ結局はラブラブの状態で終わっていたのですが、
「5」の第1話では、二人は離婚してしまっていた、という衝撃の展開。




その上、薫と旅館のオーナー(恭一郎)、健司と旅館の女将(絹香)が
くっついてしまい、しかも恭一郎と絹香は婚約関係にあったため、
「5」はコメディ路線だった「温泉へ行こう!」らしからぬ、
ドロドロしたストーリーが繰り広げられることになっていたのです。
(もちろん、普通の昼ドラとしては、かなりありがちな展開なのですが)







さて、最終回前話までに、恭一郎・絹香の婚約解消と、
恭一郎・薫、健司・絹香のそれぞれの結婚が決まっており、
しかも恭一郎と薫はかなり強引な展開でアメリカへ旅立つことに。




薫と健司は「1」以来のレギュラーメンバーなので、ここで二人が
完全に別れてしまい、しかも主人公である薫がアメリカへ旅立つと
いうことは、即ちシリーズが終わることを意味します。
視聴率は取れているみたいなので、それはちょっと考えにくい話。




となると、必ずメンバーは元の鞘に収まらなければならない訳ですが…。
ところが最終回が始まると、薫は普通にアメリカへの荷造りをしています。




開始10分、まだ荷造りしています。




開始15分、あら、出発の日になってしまいました。




20分、薫と恭一郎が、旅館を出て行ってしまいました。




…うーん。さすがにこれはシリーズ終了か?と思った開始25分!
薫と恭一郎の乗ったタクシーを、いきなりバイクで追いかけてくる絹香!




キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!




何と、それまでの54話分を、最後の5分ですべて否定してしまう衝撃の展開。
絶対にありえないストーリーで、強引に(正味3分で)元鞘に収めてしまいました。







で、この展開をめぐってさすがにファンが怒り出した訳ですが、
ワタシはむしろ「よくやった!」とスタッフに言いたい気分です。
というのも今回、スタッフは間違いなく「最終回の大どんでん返しを
どこまで引っ張れるか?」記録に挑戦していたはずだから。




そして彼らは、本当に正味3分という、前人未到の大記録を打ち立てた訳です。
「真珠婦人」のたわしコロッケとか、「牡丹と薔薇」の財布ステーキとかにも
いえることだけど、ドラマの「お約束」を、こうしてパロディの域にまで
徹底的に突き詰めていく試みって、昼ドラだからこそできることだと思うし、
それが面白いからこそ、私は昼ドラから目が離せないんだと思う。







逆風に負けず、ぜひ来年も「温泉6」作ってくださいな。テレパック様。







続いてCMの話。
「小学生からZ会」のCM、気持ち悪いので止めてください。
(ちなみにあのCM、関西では序列が東大・京大・阪大・神大になってるらしい)




「小学生から頑張って東大に入ろう!」というある種の一般論ならば
まだ分かるのですが、東大・京大・早稲田・慶応というあまりにも
リアルな(しかし旧態依然とした)大学序列を持ち出せば、
もちろん小学生にそんな価値判断はできない訳ですから、
必然的にそれは大人による序列の押し付けになってしまうはず。




「絶対に東工大!」「神大より同志社!」「東大じゃなく筑波!」と、価値観は
それぞれあってよいし、またその方が何の疑問もなく東・京・早・慶に進むよりも
よい結果を生む、ということはしばしば起こる訳で。大人が勝手に決めた序列を、
(自分で判断できない)小学生に歌わせてしまうというその感覚自体が、狂ってる。




Z会は、子どもの人生をいったい何だと思ってるのか。彼らが言う序列が
通用しない時代になったとき、Z会は子どもに対して責任を持てるのか。




実際、いわゆる「ブランド大学」に進む子ほど、進学先は実質的には
親が決めてしまっているのが実情なんだろうけれど、子どもに対して
大人の都合で勝手な価値観を押し付け、しかもそれを全く隠そうとも
しないあのCMの姿勢が、何よりも嫌い。




あと、単純に、CMとしての好感度低いですよ。増進会出版社様。







次に音楽の話。
最近のお気に入りはFree Tempoの「Oriental Quaint」。
とても心地いいコード進行で、イージーリスニングとして最適。
特にバックトラックがかっこいい。歌がなければ完璧ですね(笑)。




ちなみに2曲目の「Prelude」、サビの部分がスティービー・ワンダーの
「I Just Call to Say I Love You」(邦題「心の愛」って!)と全く同じです。







同じといえば、ケツメイシの新曲「さくら」のサビが、
ZONE「secret base〜君がくれたもの〜」のサビとほぼ同じですね。
ケツメイシ(トイズファクトリー)から、ZONE(SME)への解散記念プレゼント?
ゾネが解散記念ベスト盤発売→相乗効果でどっちも売上アップ→(゚Д゚)ウマー
…にはならないだろーなー。たぶん。間違いなく。




ちなみに、去年の今頃は、河口恭吾の「桜」(ワーナー)が、
徳永英明「僕のそばに」(バンダイ)をそのままパクって
話題になりましたね。何か意図があるのでしょうか?







久しぶりにaikoの新曲(「三国駅」)がいい。
aikoって最近はあんまり引っかかってなかったんだけど、
この曲は、全盛期の森高千里を髣髴とさせるバラードに、
ピリッと胡椒(意外かつ微妙な転調)を効かせた感じで好きです。
タイトルも、淡い色調のMVも、私好みでよいですね。







MVといえば、残像カフェ「あたらしい日々」。
名前がいかにもな感じで、あまり好きなバンドでは
なかったのですが、サニーデイmeetsゲントウキな
雰囲気のこの曲は、ツボ。




そして何よりMVがしみじみと素敵!
前述のaikoのMVもそうだけど、やっぱ好きなのよ。
こういう岩井ライクな、(押さえつつも)情緒過多な映像。







こういった音楽レビューは、実は苦手です。
音楽研究を専門にしている人が何を今さら、と言われそうですが、
だからこそ、音楽を単純に言葉で表現することに躊躇してしまうのです。




少なくともこのサイト内では、私はこの曲を聴いてこう感じた、とだけ
語るようにしてて、音楽の客観的な「良さ」を伝えることを断念しています。
それを伝えられるだけの文章力はないし、そもそも「客観的な良さ」なんて
存在しないようにも思うから。




でも、そういった「音楽は言葉で語るんじゃない、感じるものだ」という
レトリックが、ポピュラー音楽学の「学」としての発展を阻んできた要因に
なってきた、というのも、疑いようのない事実です。
これから私は(学問として、ですが)音楽を語り続けなければならない訳で、
この問題からは逃げてばかりもいられません。







そんな、音楽を「感じる/語る」とはいかなることなのか?
という根本的な問いを改めて再認識させてくれたのが、
増田聡・谷口文和『音楽未来形――デジタル時代の音楽文化のゆくえ』




こういう本を出されたことに対して、同業者としては
少しは嫉妬しなけりゃいけないんだろうけどさ…。
できません。ただただ感嘆するばかりですわ。ポカーン。







関連して、読まなきゃいけないであろう本はコレコレ
ああ、「TVガイド」とかによく載ってる速読法でも習いたい。







あと、やっぱり触れとかなきゃいけないのは、
北田暁大『嗤う日本の「ナショナリズム」』




自分にとっては、連合赤軍事件も、糸井重里も、「過去の話」であって
リアリティはありません。けれども、江戸時代の歴史研究者とかとは異なり、
それをリアルタイムで経験してきた人たちってのも、またたくさんいる訳で。




そんな非・同時代人が近同時代史を語るときの技法、というよりは、
非・同時代人だからこそ語りうる近同時代史のあり方、について、
とても考えさせられる一冊です。
たぶん、これから数ヶ月間、このことばっかり考えながら
暮らしていくことになるんだろーなー。ワタシは。







肩肘張らない話をしようと思っても、結局ここに行き着いてしまうんやなー。
いかに自分が修論の呪縛に憑かれているか、ってことなのでしょうか。
いいことなんだか、悪いことなんだか…。












3.9 wed.

Say Hello to Max Weber!はホリエモンを応援していますが、
どーでもいいフジvsライブドアの戦いに隠れて、大事なニュースが
まったく報道されなくなることについては、激しく憂慮しております。








ところで、今国会で成立見込みの「人権擁護法案」って、コレ、何?
法務省の大綱を読むと、法律家の皆さんのあまりの日本語の下手くそっぷりに
頭がグラグラしてきます。まどろっこしいので、とりあえずこの法律の
概要を簡単に説明してみると、




1.「人権侵害」が起こった場合、法務省系の機関が任命した
「人権擁護委員」(全国で二万人以内!)が、その事件を調査する
ことができる。調査に礼状は必要なく、協力を拒否した場合、
処罰の対象となる。


2.人権侵害と認定されると、委員にその行為をやめるよう「勧告」され、
従わない場合には、個人情報を含む勧告内容が「公表」される。


3.人権侵害行為そのものだけではなく、人権侵害を助長する行為も、
勧告の対象になる。


4.「人権侵害」の定義とは、「人種等を理由とした不当な差別的
取扱いのほか、不当な差別、虐待等他人の人権を侵害する行為」である。




おーい。特に4。人権侵害とは「(…)他人の人権を侵害する行為である」って、
ぜんっぜん、定義になってないやんけ。




「スピード違反」の定義を、「スピードを出しすぎること」にするようなもんで、
何キロで走っていようが、その権限を持っている人が「あれは出しすぎやろ」と
言えばスピード違反になってしまうような、滅茶苦茶な曖昧さを持っています。




「人権侵害」という、犯罪性の証明が極めて困難な行為に対して、
警察(のような、ある程度の権力が一般的に信託されている機関)以外の組織が、
礼状無しに一方的に調査・勧告を行うことができ、しかも非調査者はそれを
拒否することができないって、法治国家でこんなことが許されていいの?








この人権擁護法案。どー考えても「思想・信条のの自由」や、
「言論・表現の自由」という、最も重要かつ基本的な
「人権」を「侵害」するための法案としか思えないのですが…。








分からないのは、この法律が成立することで得をする人が、どこかにいるという点。
(そうでなければ、こんな法案が何もないとこから出てくる訳がない)
いったい誰が、何の目的で、この法案を仕組み、通そうとしているのか?








メディアは目立たないところで小さく抵抗しているみたいです。
この法律が施行されてしまうと、彼らも表現の自由が奪われる可能性がある訳で
(政治家のスキャンダルを追う取材も、「人権侵害」の名の下に規制されてしまう
恐れがある)、その点については各紙社説などで批判しています。




でも、確かにマスコミの取材が出来る/出来ないというもの大きな問題だけど、
根本的な問題点はそこじゃないやろ、というのが素朴な疑問。
まさか、マスコミを通した「知る権利」(マスコミの「知らせる権利!?」)の方が、
国民一人一人の「思想・信条の自由」より重要だ、なんていう気じゃないやろな。




これらの人権は、自由主義国家と全体主義国家を分かつ
最も基本的な権利であり、たとえどんな理由があろうと、
絶対に制限を加えたり、侵害してはならないものです。




戦前の日本だって、「法律の範囲内で」言論の自由が認められてた訳ですが、
でも実際はそんな自由は無いに等しかった訳で。どんな形であれ制限があると、
思想や言論の自由は、「自由の権利」としては成り立たないのです。
これらの権利を特に重要視しなければならない理由は、ここにあります。




極論を言えば、自由主義国家においては、たとえどんなにそこに
差別的意図があろうと、「女は家でおとなしくしておくべきだ」という意見や、
「部落出身者の血は汚れている」という意見(およびこの意見を言った人)
そのものを、「差別」として取り締まることはできないのです。
それは言論の弾圧につながります。




意見が間違っていると思うのなら、私たちはあくまで開かれた議論を通して
その意見を淘汰していかなければならないのです。ある権力を持って人の
思想や信条に「勧告」をするというのは、全体主義国家はともかくとして、
民主主義国家では許されないことです。




(ホントはこういうある価値を無批判に持ち上げる
モノの言い方は嫌いなのですが、今回は「人権擁護」の
ために、敢えてこんな物言いをしてみました)




…って、このくらいのこと、中・高生でもちょっと頭のいい奴なら分かるのに、
左翼系メディアもこの点について沈黙を守っているのは何故なのか。まさか
ホリエモン報道で忙しいから、なんて理由ではない…と信じたい。








確かに「人権擁護法案」ってなかなかネーミングセンスがあって、
こういう名前をつけられると、マスコミは表立って批判はしにくい、というのも
あるかも知れません。が、さすがにこの内容をスルーで通そうとするってのは、
いくら何でも納得できない。




そう考えると、単純な陰謀論は嫌いなんだけど、それでもこの法案が、実は
「ネット上の言論を黙らせることができるから、マスコミにとっても都合がいい」
という説明に、説得力さえ感じてしまいます。




また、法案提出に部落開放同盟が絡んでいるという噂も、ネット上でかなりの
量が流れているようです。確かに、そう考えると、マスコミが突っ込んだ批判を
しない理由も理解できるような気がします。




この噂の真偽の程は私には分かりませんが、こういう噂を生産している時点で、
既にこの法律は被差別者に対する逆効果を生んでいると言わざるを得ません。
こうして、差別はより根強く、そして陰にこもっていくのでしょう。








百害ばかりが目立って、私はこの法案に一利を見出すことができません。
いったい、誰が、何の目的で、こんな悪法を通そうとしているのか?
そして、小泉政権攻撃の絶好のチャンスなのに、どうして野党もマスコミも
この話を限りなくスルーしようとしているのか?




…うーん、分からん。政治に詳しい方、誰か教えて。














[PR]動画