ひとりごと
〜2005.January〜

ここですか。ここは新中野。
鍋屋横丁ですよ。どこに行くんですか?

(浅田次郎「地下鉄に乗って」より)



1.26 wed.

昨日のニッキに対するたむたむ氏のコメント。



わたしたち各々が「想像(=創造)」し生きる社会の姿は、
決して一様ではないし、その差異を踏まえることを例えば
「社会は構築されるものである」と「構築主義」は
その基本的なモチーフの一つとして提示してきたのでは
ないかと私は理解しています。



各々がある問題あるいはそこから浮かび上がってくる社会の姿を
突き詰めてそこにある論理や構造を言語化する作業を行うとき、
様々な方法論や段取りといったものを踏まえながら「誠実に」
行うことは必要であるし、それが「客観性」とか「中立性」と
いう言葉で表現されるのであれば、「客観性」や「中立性」は
非常に重要なテーマだと思います。






その通りですね。ただ、たぶん、私とたむたむとの考え方の違いは、
「それを「客観性」とか「中立性」という言葉で表現できるのか」
否かという点にあると思います。これは、たむたむの二点目の
指摘にも非常に絡んでくる問題ですね。






二点目に関しても、一点目と非常に重なることでもあると思います。
世の中に溢れている情報を受け取るわたしたち自身、「なぜ」その
情報を自分は「受け取った」のか、何が問題なのか、問い直すことが
必要だと思います(多分、「主体的」と茶有が言っていたことと
基本的な部分はズレていないと思います)。



そうすると、「主体的」なものはいかにして可能か、あるいは
「主体的」なものはいかにして擬制されて語られているのかと
いう問題が出てくる気もします。






「主体」という言葉に敏感になるあたり、さすが社会学者(笑)。
確かにこの場合、「主体」よりも、客観に対する「主観」という
言葉を用いたほうが適切だったかもしれませんね。






私は、ジャーナリストとは、最も「誠実に」「客観的に」
社会を語ってきた(と送り手も受け手も思い込んできた)
集団だったのではないかと思っています。



しかし、たとえ彼らがどんなに「誠実に」社会で向き合っていたと
しても、絶対に(それが構築されたものであるにせよ)主観性から
逃れることはできない以上、報道に「客観性」を求めるのは、
もうやめた方がいいのではないか、というのが私の考え方です。



そして、受け手は客観報道の裏に、ジャーナリストという主体を
構築していかなければならない訳ですが、そのようなある種の
「主体的受け手」は、少なくともジャーナリズムを通しては
構築/擬制され得ません。当たり前の話ですが。
(バラエティーにはそれを逆手に取った番組もあるけれど)



だからこそ、私たちは、ジャーナリズム以外の場所から、
報道を作る(観る)主体/主観を構築する作業を進めていく
必要があるのではないかと思うのです。



話が循環してて、何がなにやら…ですね。
要するに、ニュースは裏読みしようぜ、って話です。
単純な陰謀説に陥ることなく。
イデオロギーに回収してしまうことなく。






もちろん、自分にどこまでそれが実行できているのかといえば、
まだまだ修行が足りないことこの上ないのですが。








1.25 tue.

「たぶん、話し始めたら2時間くらい止まらなくなるんだろうけどさ…」




と前置きされた上で、友人にこんな質問を受けました。




「茶有はNHKvs朝日の問題についてどう思ってんの?」








…なるほど。確かに、これでも一応メディア論専攻の学生だし、
そうでなくてもweb上では事あるごとに朝日批判をぶちまけている
ワタクシだけに、今回の事件に対して沈黙を守っていることが
不思議でならなかった…んかいな?




もちろん、何も考えていなかった訳ではありません。
ただ、この情けなさ極まる泥仕合に、呆れて何も言えずにいただけです。
大原社主と峯山社長の争いを傍から見ている山岡夫妻の気持ちが、
よく分かるような気がします(笑)。








いろんな局や新聞が「問題の本質はどこにあるのか」といって、
やれ政治的圧力だの、記事捏造だのといってますが、
もう一つ、大事なことを忘れてませんか?








「公正中立」を謳うべき放送局が、政治的圧力によって番組内容を
改変させられたのが問題だ、というのが事の本質なのだというのなら、
何も改変せずにその番組を放送していれば、NHKは公正中立の義務を
果たしていた、ということになります。




茶有としては、「公正中立な報道」なんてものは初めからこの世に
存在しないと思っているので、今回の事件は既にこの段階で茶番劇でしか
ない訳ですが、百歩譲ってこの前提を認めたとして、そもそもこの番組、
公正中立な内容だったんですか?




「天皇の戦争責任有罪」のシーンが削除されたのされないので揉めてる
みたいですが、調べてみると、だいたいこの「女性国際戦犯法廷」なる
もの自体が怪しすぎる。被告人(昭和天皇)は既に死んでいる=被告人の
弁論ができない点に加え、被告側には弁護人すらつかなかったのだから、
そりゃ有罪になって当たり前です。
「法廷」の名に値しない、デキレース以外の何者でもありません。




「従軍慰安婦」問題にしても、名だたる学者先生方がもう何年も
わたって論争を続けてきたにも拘らず、未だに決着を見ていない
ものなのに、数日の裁判でそんなにサクッと結論なんて出る訳が
ありません。誰にも文句を言わせない程の決定的物証でも
発見されたというなら、話は別ですが。




つまり、この裁判自体がどう考えても「公正中立」ではなく、
したがって番組も「公正中立」と呼べるような代物ではなく、
初めから公共放送機関であるNHKで流すべき番組内容では
なかったのではないか、というのが私見。




そしてこの裁判/番組の重要な内容を巧みに隠しつつ、ここぞとばかりに
NHK攻撃を始めた朝日の「公正性」にも、胡散臭さ爆発です。




さて、すると問題の本質は「何故NHK上層部は、放送直前に政治的
圧力がかかるまで、その番組の内容を把握していなかったのか」という
(実際にかかったのかどうかは知りませんが)、内部チェック体制の
甘さにあるのではないか、ということになります。
この件に関しては、NHKへの弁護の余地はないように思います。




が、今回の件に関しては、これ以上でもこれ以下でもありません。
いろんなことに対して考えをめぐらすいい機会になったとは思うので、
あとはそれが悪い方向へと転ばないことを祈るばかりです。


(ちなみに最悪のシナリオは、朝日提訴→証拠テープ提出→安倍辞任→
海老沢辞任→無修正版放送→朝日&人権団体(゚Д゚)ウマー ですね。
まずあり得ないとは思いますが。)








そろそろ、報道に「公正中立」を期待するのは止めた方がいいのでは?
人間が取材し、取捨選択し、作り上げたものである以上、そこに主観が
全く入り込まないなんてことはあり得ないのだから。




視聴者は、もう「公正中立」な報道など存在しない、と認めてしまう
べきだと思います。それでもなお報道に「公正中立」を期待するのは、
『待っていれば公正な情報は上から降ってくる』的な、主体的判断の
放棄であり、単なる怠慢以外の何者でもありません。




報道が正しいのかどうか、自分の頭で考える。
この「情報について自分で吟味する態度」こそが、情報の送り手側に
「公正中立」たることを促す、何よりの起爆剤となるように思います。
嫌な言い方だけど、NHKやら朝日やらの呆れるほどのレベルの低さは、
たぶん、(自分も含めて)視聴者のレベルの低さを、そのまま映して
いると思うから。








NHKvs朝日の問題について、言いたいことはこれだけです。
2時間もかからんですよ。つか、そんなに喋れません。
こんなアホくさな問題で。








…でも、先日ついに第二弾が発売された「萌える英単語〜もえたん」
ついては、2時間でも20時間でも喋ります。ええ語ります(笑)。


(つか、このamazonレビュー、萌え単に英単語集としての
機能を真剣に期待するなっつーの。ネタなんだから。
やっぱりメディアリテラシーは重要なんだな…と、痛感。)










1.14 fri.

最近、気になってしかたない曲。





「音色(SSTV ver.)」KREVA

とにかく面白い。最後の決めポーズがアルファベットのKって、
TYM(モジモジ君?)じゃないんやから。しかもそれがPOCKYの
Kになるという、あまりに意表をついたダサい展開にドキドキ。





「The ワルダクミ」マボロシ

曲はいたってフツー。けど、MVが「空耳アワー」の
パロディになってる。ちゃんと安斉さんまでものまね
してるのがえらい。笑いの瞬発力は最強。





「To All Tha Dreamer」SOUL'd OUT

ホント、出す曲すべてがすばらしいですね。この人たちは。
ネタも一線を超えるとカッコよさに転化するのだということを、
毎回、身体を張って証明してくれてます。
やべー。素でファンになりそう。





「大田区よいとこ一度はおいでチョイナチョイナ」大田クルー

「♪認めてください大田区長、そろそろ載りたい大田区報」…って、
うおー!ファンキーすぎる!(笑)
DANCE☆MAN「愛と恋の天国」(♪東京へおいでよ 特に多摩地区)に続く、
東京ご当地ソングの大傑作。はなわなんかより全然おもしろいし、
とにかくラッキーでストライクでピース。







何か、このラインナップを見てると「ロックは死んだ(38回目)」とでも
言いたくなるけれど、たぶん、この人がいる限り、日本のロックは
安泰だと思うので、あんまり心配はしていません。







「金色のライオン」長淵剛

歌詞といい、サウンドといい、出演CMといい、
すべてにロック・スピリットが満ち溢れてます。
京セラの社員は、取引先にバカにされたりしないのだろうか。
「あー、あの『シャーラララララッ』の会社ね(苦笑)」って。
…少なくとも、私は、バカにしてます。間違いない。










1.7 fri.

「負け犬」(という言葉の)ブームに伴い、「勝ち犬」なる
言葉もメディアに頻繁に登場するようになってるけれど、
そもそも「勝ち犬」なんて言葉、日本語として存在して
いるのか?少なくとも、手元にある三省堂と旺文社の
辞書には載っていませんでした。




世の中には元々「負け犬」と「勝ち犬」の2種類の女性が存在する、
のではなく、ある特定の属性を持った女性が「負け犬」と呼ばれる
ようになったから、そうでない女性が、「勝ち犬」という表現で
認識されるようになっただけの話なのでは。




他人の人生を勝手に「負け犬」と切り捨てる心性自体が、
私は大嫌いですが、それ以上に、そこに属さない人間まで
勝手に同じフィールドに巻き込んで憚らない、そのあまりに
単純な二分法が、何よりも嫌い。




(そもそも「勝ち犬」って何?「非・負け犬」のこと?
じゃ、「20代・子持ち・独身女性」とか、
「30代・暴力夫持ち女性」はどーなるの?
どの部分で、誰に対して「勝って」るの?)







女性関連の話ついでに、性役割本質主義のぶっ飛び理論を一つ ご紹介。
怒りを通り越して、もはやお笑いの域に達しているので。




少し古くなりますが、「林道義氏のホームページ」12月6日寸評より。


平成16年12月6日


クラミジア感染、女子高生13.9%


旭川医大助教授・今井博久助教授の調査によると、日本の高校生の
性器クラミジア感染症の感染率は11.4%、うち男子は7.3%、女子は
13.9%である(『産経新聞』平成16年12月5日付)。ちなみに先進国の
高校生の感染率は1〜2%だそうである。


日本人の若者の性の乱れは群を抜いている。しかも女子がひどい。
「母性とフェミニズム」31(茶有注:サイト内にある林氏のエッセイ)で
論じた「女らしさ」意識や「純潔」意識の解体現象と軌を一にした
現象と見るべきである。


これは単なる性の乱れや道徳意識の解体と言うに留まらず、根本的な
精神の崩れ、枠や規律を壊したいという心理の蔓延として捉えなければ
ならない。背骨をまっすぐ伸ばした、張りのある、きちんとした精神、
自分を律する精神、こうした精神の解体を意味しているのである。


これは決して大げさではなく、亡国の兆しである。


もちろん単純な性知識を与えても無駄だし、
性教育でなんとかなるという性質を超えている。


どうすべきかと言えば、乳幼児期からの教育(とくに家庭教育)を
考え直す以外に対策はない。その意味でもフェミニズムの害毒に
ついて、さらに明らかにし、国民に知らせていかなければならない。





(゚Д゚)ハァ? と、思わず顔文字使いたくなるでしょ。
確かに性教育でなんとかなるという性質を超えてはいるけれど、
それで乳幼児期の教育を考え直したところで、単純に考えて、
その子らが高校生になるまでの12〜15年間は高校生の
性病感染率は上がり続けることになりますよね。




先進国としてこの若者の感染率を恥ずかしいと思うのであれば、
とりあえずは単純に性知識を与えなければならないのではないか。




「行き過ぎ」と批判されるような性教育を実際に行っている
先生方だって、フェミニズム云々というよりは、実際問題として
目の前の生徒たちをいかにして性病から守るかを考えた上で、
苦肉の策をとっている、とだって考えられるし、この数字が、
皮肉にもそうした先生方の「事件は現場で起きてんだ!」感を
象徴しているとも考えられるはず。




そんな現場の感覚を想像もせず、会議室(講義室?)から
「社会意識改革」を呼びかけたところで、それが実際に
何の効力を持つというのか。
そんなことなら、新橋の酔っ払いオヤジにだって言える。




こうしたあまりに精神論に偏った「亡国論」が、ある種の
学問的権威を付与されて語られ、広く流通しつつあることこそ、
決して大げさではなく「亡国の兆し」のように思うのですが。







…ところで、しつこいようですが、また素朴な疑問が一つ。
男子高校生の約7%、女子高校生の約14%がクラミジアに
感染しているのなら、この男女差の7%は何を意味するのか。



2人以上の女子同級生に感染させた男子高校生が7%いるってことか?
高校生以外の野郎から感染させられた女子高生が7%ってことなのか?




若者よりも先に、教育すべきは、大人のような気がするわー。








…やべ、笑いを通り越して、また怒りがわいてきた。











1.1 sat.

あけましておめでとうございます。






今年もよろしく美味しんぼ!






「…まあ、大変! 大原社主のおせちが!」(笑)







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